ハニーベリー

bijugatus
スパニッシュライム マモンシージョ
Melicoccus

中南米一帯に広く自生し、7月中旬~9月上旬に収穫を迎えるフルーツです。熱帯地域や亜熱帯地域を原産とする果樹であり、ムクロジ科に属します。葉も果実も見た目は緑色をしており、味はブドウによく似ています。ポリフェノールが豊富に含まれ抗酸化力が期待されます。

ハニーベリーとは?

●基本情報
ハニーベリーは中南米一帯に広く自生し、別名スパニッシュ・ライム、マモンシージョと呼ばれるベリーの一種で、ムクロジ科の熱帯果樹です。
熱帯果樹とは熱帯地域や亜熱帯地域を原産とする果樹のことです。このハニーベリーも熱帯地域でよく見られます。それらの地域では、布を染める際にも果汁を使用して染色します。
ハニーベリーの産地としてはドミニカ共和国、コロンビア、プエルトリコ、アメリカフロリダ州が有名です。
また7月中旬~9月上旬に収穫の時期を迎えます。
樹高は約50~70cmで幹径は約10mm、繁殖方法及び経年は実生2年生です。
果実も葉も基本的に緑色をしており、果実は皮をむくとオレンジ色の実がでてきます。高温と乾燥とアルカリ土壌を好み、着果までは5年~10年かかりますがコンテナ栽培も可能です。特徴的な葉と実を目でたのしむこともできるのが、ハニーベリーです。熱帯植物であり暖かい温度を好むため16℃以上の場所で育てると良いでしょう。

●ハニーベリーに含まれる成分と性質
果肉には、多くの鉄分が含まれ、鉄分補給のできる果実としても使われます。ビタミンミネラルを含み、またプロシアニジンやカテキンなどのポリフェノール、有機酸が豊富です。
種子は抗酸化力が高く、種皮は果肉や胚芽よりも高い抗酸化力を誇ります。種子は焙煎して食用にも使用され、種皮と果肉は胃腸の健康促進に役立ちます。
ハニーベリーは、ブドウのように皮をむいて食べ、味もブドウに良く似ています。ブドウよりも皮が厚く、皮をむきやすく食べやすいです。
有機酸やレスベラトロールなどのポリフェノールも含みます。

ハニーベリーの効果

●活性酸素を除去する効果
ハニーベリーの果肉には、ビタミンとミネラル、鉄分が多く含まれ、鉄分補給の果実として有益です。
またハニーベリーにはポリフェノールが多く含まれ、中でもプロシアニジンやカテキン、タンニンが豊富に含まれます。
このポリフェノールは抗酸化作用を持ち、に溶けやすく吸収されやすいため、摂取してから約30分後には、体内で抗酸化作用を発揮し始めます。しかしポリフェノールの吸収率は高くない上に水溶性のため、たくさん摂取しても体内にはほとんど貯蔵されずに排せつされてしまいます。そこで一気に摂るのではなくこまめに摂ることで活性酸素を除去することができます。

●老化を防ぐ効果
老化は活性酸素の作用で体内に生じる有害な過酸化脂質の蓄積が、老化を進行させるといわれています。活性酸素とは、体内へ取り込まれ燃焼した酸素の一部で、文字どおり反応が活性化された酸素のことです。体を構成するたんぱく質や脂質、DNAなどを酸化させる性質があります。
その結果、活性酸素は老化を促進し、ガンや動脈硬化、糖尿病などを引き起こす要因になるといわれています。活性酸素の害を除くには、活性酸素を取り除く抗酸化物質を摂取することが有効で、そこでハニーベリーのような抗酸化力のある果実などが活躍します。
ハニーベリーに含まれるビタミンやプロシアニジン、カテキンなどのポリフェノールが活性酸素を抑制し、老化を防ぎます。

●胃腸の機能を高める効果
ハニーベリーの果肉に含まれるポリフェノールが、胃腸の健康促進に役立ちます。
胃腸の調子を整え、食欲不振や吐き気、消化不良などを鎮めてくれる働きがあります。
また胃酸過多や下痢の症状にも良いとされています。【1】

食事やサプリメントで摂取できます

こんな方におすすめ

◎いつまでも若々しくいたい方
◎老化を防ぎたい方
◎胃の健康を保ちたい方

ハニーベリーの研究情報

【1】ハニーベリーはカリブ海近郊の中南米地域で生育するフルーツで、その皮や種は健康に非常に良いとされています。その主な効果は大腸における大腸線維症物質CFRTの阻害、抗菌性、タンニンの収斂効果、抗血小板活性、高血圧などが知られており、ハニーベリーは高い健康機能を持つと期待されています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22155593

参考文献

・日経ヘルス サプリメント事典 日経BP出版センター

・食材図典 小学館

・五明紀春 食材健康大事典 時事通信社

・工藤秀機 蒲池桂子 栄養を知る事典 日本文芸社

・Bystrom LM. (2012) “The potential health effects of Melicoccus bijugatus Jacq. fruits: phytochemical, chemotaxonomic and ethnobotanical investigations.” Fitoterapia. 2012 Mar;83(2):266-71.

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