もやし

bean sprouts

もやしとは、一般的に豆類の種子を水に浸し暗所で発芽させたものです。
栄養素がほとんどないと思われがちですが、ビタミンCやビタミンB1、ビタミンB2、食物繊維などが豊富に含まれており、毎日手軽に食べることができる野菜として人気です。

もやしとは?

●基本情報
もやしとは、や麦、野菜、豆類などの種子を水に浸し、暗所で発芽させたものです。
日本だけでなく、中国や朝鮮、東南アジアなどで古くから食用として利用されていました。
名前の由来は「発芽させる」という意味の「萌やす」であるといわれています。
最近は、無漂白、無添加、無農薬であるもやしの安全性にも注目されています。

●もやしの種類
豆類のもやしを特に豆もやし(ビーンスプラウト)といいます。
豆もやし以外にも、エンドウを原料にした豆苗や、アルファルファ、そばもやしなど様々な種類が存在します。
現在豆もやしの原料として使用されている豆は、大豆類や緑豆、ブラックマッペなどです。

・緑豆もやし
一般的に販売されているもやしです。軸が太く水分が多く、甘みがあります。

・ブラックマッペ
けつるあずき(ブラックマッペ)を発芽させたものです。
戦後にタイやミャンマーからの輸入が始まり普及しました。
緑豆もやしと似ていますが、緑豆もやしよりも長く少々固さがあります。

・大豆もやし
たんぱく質が多く含まれており、独特の風味や歯ごたえがあります。
3種類の中で最も太く長く、豆の部分がしっかりとついています。韓国料理のナムルなどによく使用されます。

●もやしの選び方
茎が太く白く、しっかりしていて豆が小粒でよくそろっているものが良品です。茎が黒くなっていたり黄色になっているものは避けます。
もやしは足が速いことで有名な野菜です。水が出てしんなりしているものも避けます。
また、購入したまま保存するのではなく、袋に1か所穴を開けてもやしが呼吸できるようにすると日持ちが良いといわれています。
もやし特有のシャキシャキ感を出したい場合は、熱湯でさっとゆで、水に浸すことなく冷蔵庫かボウルに入れて冷やすとシャキシャキした歯ごたえを楽しむことができます。また、ゆでるときに塩を少し入れるとアミノ酸の損失が少なくてすみます。

●もやしに含まれる栄養素と性質
もやしには、ビタミンCビタミンB群カリウム食物繊維などの栄養素が豊富に含まれています。
豆の状態ではビタミンCは含まれていませんが、発芽することによりビタミンCが含まれ、アミノ酸の含有量も増加します。またポリフェノールも含まれ、コレステロールの酸化予防効果が期待できます。
中国では、昔から豆もやしは夏バテ対策のスタミナ食として珍重されてきました。また、豊富なアミノ酸を含む豆もやしには肝臓の機能を高める働きがあるともいわれています。
もやしは豊富に食物繊維を含むため、便秘の改善や生活習慣病の予防などにも効果的であるといわれています。
もやしには、ビタミン類や食物繊維、アミノ酸が豊富に含まれているため、以下のような働きが期待できます。

もやしの効果

●美肌効果
もやしには、ビタミンB1ビタミンB2、ビタミンCなどの美容効果が高いといわれているビタミン類が豊富に含まれています。また、ビタミンCはシミの原因となるチロシナーゼの働きを阻害することでメラニン色素の沈着 (シミ)を防ぎ、透明感のある肌を維持する効果があるため美白効果が期待できます。
また、ビタミンCはコラーゲンの合成を助けて肌のしわを防ぎます。

●便秘を解消する効果
もやしには、豊富な食物繊維が含まれています。
食物繊維は、腸内に溜まった不要な老廃物を体外へ排出する働きを持つ上、善玉菌を増やす作用もあるため、腸内の環境を整える効果があり、特に便秘症には効果的な成分です。胃腸の働きを整える消化酵素のアミラーゼも含まれています。

●疲労回復効果
もやしには、ビタミンB1、ビタミンB2、アスパラギン酸が豊富に含まれています。
ビタミンB1、ビタミンB2には、エネルギーをつくり出す働きがあり、アスパラギン酸はスタミナをつける働きがあるため、もやしは疲労回復に役立つ食材といえます。

●生活習慣病の予防・改善効果
もやしには、食物繊維やビタミン類、カリウムが含まれています。
食物繊維は血中コレステロール値やナトリウムを低下する働きがあり、カリウムはナトリウムの排せつを促し高血圧のリスクを下げる働きがあります。
これらの栄養素を豊富に含むもやしは、生活習慣病を予防・改善する効果があるといえます。

もやしは食事やサプリメントで摂取できます

こんな方におすすめ

○美しい肌を保ちたい方
○便秘を解消したい方
○疲れがとれにくい方
○生活習慣病を予防・改善したい方

もやしの研究情報

【1】新種スプラウトであるブロッコリー、レッドキャベツ、マスタード、クレソン、かいわれ大根、豆苗と緑豆もやしやアルファルファもやし、の総ビタミンC量およびDPPHラジカル捕捉活性を比較した調査が行われています。
http://ci.nii.ac.jp/naid/110003166992

参考文献

・五明紀春 食材健康大事典 時事通信社

・荻野善之 野菜まるごと大図鑑 主婦の友社

・蔵敏則 発行 食材図典 小学館

・中嶋 洋子 著、阿部 芳子、蒲原 聖可監修 完全図解版 食べ物栄養事典 主婦の友社

・則岡孝子 著 ひと目でわかる あなたに必要な栄養成分と食べ物 河出書房新社

・MORIYAMA Michie, OBA Kazuko. (2004) “Vitamin C Content and DPPH Radical-Scavenging Activity of Various Sprouts and Cooked Cotyledons of Toumyo” 日本家政学会誌 55(2), 153-158, 2004-02-15

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