タマリンドとは
●基本情報
タマリンドはマメ科チョウセンモダマ属の常緑樹[※1]で、和名ではチョウセンモダマと呼ばれています。成長すると高さ数十mにもなるため、熱帯地域では街路樹や庭木として植えられていることが多いです。卵型の小さな葉をつけ、赤っぽく筋の入った黄色い花を咲かせた後、実を付けます。長さ6~20cmの実はソラマメに似た形をしており、熟して茶色になったさやの中にある果肉はスパイスとして利用されます。ほのかな甘みとフルーティな酸味を兼ね備えたタマリンドの果肉は、半ペースト状のブロックで販売されています。特にインドや南アジアで利用されているため、インディアンデーツとも呼ばれます。ペーストの他にもキューブ形のものなどがあり、カレーやチャツネ[※2]、スープ、お菓子などに使われ、酸味やとろみを加えます。また、そのまま砂糖水にそのまま溶いて、清涼飲料水としても飲むことができます。種子はコーヒーの代わりとしても飲まれているほか、民間薬として下痢や腫瘍の治療に用いられています。また、種子部分にはタンニンを含んでいるため、色素として利用されたり、種子の胚乳部分に含まれる多糖類はタマリンドシードガムという増粘剤として食品に利用されたりと、食品添加物としても重宝されています。
タマリンドの主な成分として、酒石酸[※3]やクエン酸、果糖、ビタミン類を豊富に含んでいます。酒石酸やクエン酸には、疲労回復効果と腸内環境を整える効果があるといわれています。また、インドでは肝臓や腎臓に良いといわれています。しかし、大量に摂るとおなかを緩くしてしまう働きがあるため、注意が必要です。
●タマリンドの歴史
タマリンドは、昔から区民薬として、原産地のアフリカなどで利用されてきました。樹皮には収れんや強壮作用、葉の汁には関節の炎症や目の痛み、果肉にはおなかに整腸作用や解熱などの効果があるといわれてきました。
●タマリンドの生産地
タマリンドの原産地は熱帯アフリカで、アジアやアフリカなどの熱帯地方に自生し、インドやタイでは栽培が行われています。インドの市場などでは半ペースト状のブロックが流通しています。
●タマリンドの働き
タマリンドの果肉には、酒石酸やクエン酸というAHA(アルファヒドロキシ酸)の一種が豊富に含まれており、疲労回復効果と腸内環境を整える効果があります。また、グルコースの吸収を防いだり、脂肪がたまるのを防いだりする働きがあるため、メタボリックシンドロームに効果があると考えられています。市販のタマリンドを水で煮出してつくるドリンクを食事30分前に摂ることで満腹感を感じやすくなるとされています。また、血糖値を正常に保つ働きもあるので、動脈硬化の予防にも効果的です。タマリンドに含まれる酒石酸やクエン酸には、皮膚の結合力を弱める働きもあります。その結果、古い角質を剥がし、新陳代謝を促す効果が期待できます。タマリンドの強い整腸作用は、慢性的な便秘の解消にも有効です。
[※1:常緑樹とは、葉の寿命が1年以上あり年中葉をつけている樹木です。]
[※2:チャツネとは、南アジアや西アジアを中心に使われている、ソースやペースト状の調味料です。]
[※3:酒石酸とは、有機酸の一種です。爽快な酸味を持つため清涼飲料などに利用されます。]
タマリンドの効果
●基本情報
タマリンドはマメ科チョウセンモダマ属の常緑樹[※1]で、和名ではチョウセンモダマと呼ばれています。成長すると高さ数十mにもなるため、熱帯地域では街路樹や庭木として植えられていることが多いです。卵型の小さな葉をつけ、赤っぽく筋の入った黄色い花を咲かせた後、実を付けます。長さ6~20cmの実はソラマメに似た形をしており、熟して茶色になったさやの中にある果肉はスパイスとして利用されます。ほのかな甘みとフルーティな酸味を兼ね備えたタマリンドの果肉は、半ペースト状のブロックで販売されています。特にインドや南アジアで利用されているため、インディアンデーツとも呼ばれます。ペーストの他にもキューブ形のものなどがあり、カレーやチャツネ[※2]、スープ、お菓子などに使われ、酸味やとろみを加えます。また、そのまま砂糖水にそのまま溶いて、清涼飲料水としても飲むことができます。種子はコーヒーの代わりとしても飲まれているほか、民間薬として下痢や腫瘍の治療に用いられています。また、種子部分にはタンニンを含んでいるため、色素として利用されたり、種子の胚乳部分に含まれる多糖類はタマリンドシードガムという増粘剤として食品に利用されたりと、食品添加物としても重宝されています。
タマリンドの主な成分として、酒石酸[※3]やクエン酸、果糖、ビタミン類を豊富に含んでいます。酒石酸やクエン酸には、疲労回復効果と腸内環境を整える効果があるといわれています。また、インドでは肝臓や腎臓に良いといわれています。しかし、大量に摂るとおなかを緩くしてしまう働きがあるため、注意が必要です。
●タマリンドの歴史
タマリンドは、昔から区民薬として、原産地のアフリカなどで利用されてきました。樹皮には収れんや強壮作用、葉の汁には関節の炎症や目の痛み、果肉にはおなかに整腸作用や解熱などの効果があるといわれてきました。
●タマリンドの生産地
タマリンドの原産地は熱帯アフリカで、アジアやアフリカなどの熱帯地方に自生し、インドやタイでは栽培が行われています。インドの市場などでは半ペースト状のブロックが流通しています。
●タマリンドの働き
タマリンドの果肉には、酒石酸やクエン酸というAHA(アルファヒドロキシ酸)の一種が豊富に含まれており、疲労回復効果と腸内環境を整える効果があります。また、グルコースの吸収を防いだり、脂肪がたまるのを防いだりする働きがあるため、メタボリックシンドロームに効果があると考えられています。市販のタマリンドを水で煮出してつくるドリンクを食事30分前に摂ることで満腹感を感じやすくなるとされています。また、血糖値を正常に保つ働きもあるので、動脈硬化の予防にも効果的です。タマリンドに含まれる酒石酸やクエン酸には、皮膚の結合力を弱める働きもあります。その結果、古い角質を剥がし、新陳代謝を促す効果が期待できます。タマリンドの強い整腸作用は、慢性的な便秘の解消にも有効です。
[※1:常緑樹とは、葉の寿命が1年以上あり年中葉をつけている樹木です。]
[※2:チャツネとは、南アジアや西アジアを中心に使われている、ソースやペースト状の調味料です。]
[※3:酒石酸とは、有機酸の一種です。爽快な酸味を持つため清涼飲料などに利用されます。]
タマリンドは食品やサプリメントから摂取できます
こんな方におすすめ
○疲労を回復したい方
○腸内環境を整えたい方
○生活習慣病を予防したい方
○新陳代謝を活発にしたい方
タマリンドの研究情報
1】Ⅱ型糖尿病ラットに、タマリンド種子抽出物を1日あたり120, 240mg/kg の量で4週間摂取させたところ、糖化ヘモグロビン(HbA1C)やTNF-αの上昇が緩和され、また膵臓内のβ細胞の新生が促進されたことから、タマリンドは糖尿病予防効果を持つと考えられています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22935346
【2】エタノール肝臓障害ラットにタマリンド葉抽出物を1日あたり25, 50, 100mg/kg の量で7日間摂取させたところ、肝臓内のグルタチオンならびに膜安定化作用が見られたことから、タマリンドは肝臓保護作用を持つと考えられています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22309275
【3】学童20名を対象に、タマリンドを1日あたり10g の量で18日間摂取させたところ、尿中へのフッ素排泄が増加したことから、タマリンドはフッ素中毒症予防効果を持つと考えられています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11840184
【4】薬物腎障害マウスに、タマリンド種子抽出物を1日あたり200mg/kg の量で14日間摂取させたところ、腎臓における酸化ストレスの軽減ならびに腎細胞がんの緩和傾向がみられたことから、タマリンドは腎臓保護作用を持つと考えられています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22761015
【5】ドライアイ患者30名を対象に、タマリンド種子多糖類を0.5 もしくは1.0% 濃度で90日間投与したところ、VASならびに角膜前涙液層等、ドライアイ症状の改善が見られました。タマリンド種子多糖類はムチンに構造が類似しており、ドライアイ治療に有望であると期待されています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17394642
参考文献
・田部井満男 ハーブ・スパイス館 小学館
・Sole SS, Srinivasan BP. 2012 “Aqueous extract of tamarind seeds selectively increases glucose transporter-2, glucose transporter-4, and islets’ intracellular calcium levels and stimulates β-cell proliferation resulting in improved glucose homeostasis in rats with streptozotocin-induced diabetes mellitus.” Nutr Res. 2012 Aug;32(8):626-36.
・Ghoneim AI, Eldahshan OA. 2012 “Anti-apoptotic effects of tamarind leaves against ethanol-induced rat liver injury.” J Pharm Pharmacol. 2012 Mar;64(3):430-8.
・Khandare AL, Rao GS, Lakshmaiah N. 2002 “Effect of tamarind ingestion on fluoride excretion in humans.” Eur J Clin Nutr. 2002 Jan;56(1):82-5.
・Vargas-Olvera CY, Sanchez-Gonzalez DJ, Solano JD, Aguilar-Alonso FA, Montalvo-Munoz F, Martinez-Martinez CM, Medina-Campos ON, Ibarra-Rubio ME. 2012 “Characterization of N-diethylnitrosamine-initiated and ferric nitrilotriacetate-promoted renal cell carcinoma experimental model and effect of a tamarind seed extract against acute nephrotoxicity and carcinogenesis.” Mol Cell Biochem. 2012 Oct;369(1-2):105-17.
・Rolando M, Valente C. 2007 “Establishing the tolerability and performance of tamarind seed polysaccharide (TSP) in treating dry eye syndrome: results of a clinical study.” BMC Ophthalmol. 2007 Mar 29;7:5.