ヒマワリの種

sunflower seed

ヒマワリの種はヒマワリの花に含まれる種子で良質な油とビタミンが豊富な食品です。食用油の原料となる品種やチョコレート用油脂などお菓子に用いられる品種の大きく2つに大別されます。食品として出回っているヒマワリの種は、むき身を炒って塩で味付けしたものです。

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ヒマワリの種とは

●基本情報
ヒマワリの種はキク科の植物であるヒマワリの花にできる種子です。
ヒマワリは高さ3mくらいまで生長し、夏に大きな黄色の花を咲かせます。一見、大きな1つの花のように見えますが、実は多数の花が集まって1つの花の形をつくっています。これはキク科の植物によく見られる特徴で、外側に黄色い花びら、内側に花びらがない茶色い花がついています。
ヒマワリは種実を食用や油糧とするため、あるいは観賞用にするため、広く栽培されています。
ヒマワリの名前は、太陽の動きにつれてその方向を追うように花が回ることが由来しています。
しかしこの動きは生長に伴うものであるため、実際に太陽を追って動くのは生長がさかんな若い時期だけです。
またヒマワリは夏の季語であり、夏を代表する花といえます。
そのヒマワリに含まれる種のかたちは長卵型でやや平たく、長さは約1cm、10g程度です。
種皮色は油料用品種が黒色であり、食用や観賞用品種には長軸方向に黒と白のしま模様があります。
市販されているものはヒマワリの種は煎って塩味をつけたものが出まわっています。

●ヒマワリの種の歴史
原産地は北アメリカ大陸とされ、食用には紀元前から用いられていました。
紀元前3000年にはネイティブアメリカン(インディアン)によって現在のアリゾナ・ニューメキシコ辺りで食用や染料、医療用などに栽培されはじめた形跡があります。その後、ヨーロッパからの移民によりヒマワリはヨーロッパ各地へ広がり、19世紀初めにはロシアで大量生産されるようになりました。大量生産されたヒマワリが北アメリカへ戻ってきたのは19世紀の終わり頃で、その後、北・南ダコタ、ミソネタ、カンサス、テキサス、カルフォルニアなどで大規模に栽培されるようになりました。
日本では17世紀に伝来し、ヒマワリの花の栽培とともにヒマワリの種も広まっています。

●ヒマワリの種の生産
ヒマワリの種の現在の主な産地はメキシコ、アルゼンチン、ヨーロッパなどです。
日本では、北海道、宮城県、栃木県、長野県、石川県、兵庫県、島根県、香川県、岡山県が主な産地で、ヒマワリの種を加工した油食品、化粧品等のヒマワリ関連のものをつくっています。

●ヒマワリの種の用途
ヒマワリの種は食用油の原料とされることが多いですが、乾燥させて炒めたものはそのまま食べることができます。アメリカでは野球の選手がよく試合中に食べている光景を目にします。

●ヒマワリの種の食べ方
アメリカでは一般的な食べ方として、いくつかのヒマワリの種を殻ごと口に入れ、前歯、舌、唇を使って1つずつ殻を開け、中身を食べて殻は出します。
食べ方のコツとしては、1粒ずつ歯で殻を軽く噛んで殻に割れ目を入れることです。後は手で殻を開いて中身を食べます。

●ヒマワリの種に含まれる成分
ヒマワリの種には、リノール酸などの不飽和脂肪酸葉酸をはじめとするビタミンB群、ビタミンEなどが豊富で、またミネラル類の鉄、亜鉛、銅なども豊富です。

ヒマワリの種の効果

●血流を改善する効果
ヒマワリの種のもつ不飽和脂肪酸には、血中のコレステロールを減らす作用があり、血管を浄化して血行を良くします。また一緒に含まれるビタミンEにも同様の効果があるため、しなやかな血管を保つにはおすすめの食材といえるでしょう。生活習慣病の予防にも効果的です。【1】

●髪や肌の健康を保つ効果
ヒマワリの種は鉄や亜鉛、銅などのミネラルを含み、体の調子を整える働きをサポートします。
鉄や銅は貧血の予防に、また亜鉛は細胞の生まれ変わりを助けて髪や爪、肌を健やかに若々しく保つ働きがあります。
ヒマワリの種にはリノール酸とビタミンEが豊富で、ビタミンEは老化防止、冷え、美肌に役立つ成分で髪や肌をはじめとする体内の細胞の老化を防ぐことが期待されます。【2】

そのほか、ヒマワリの種には葉酸が含まれ細胞の生まれ変わりや造血作用などを助ける成分として活躍します。赤血球をつくり出したり細胞の生まれ変わりを助け、成長を促進する働きが知られています。
細胞の生まれ変わりが盛んな、成長期の子どもや妊婦の方には大切なビタミンです。
肌細胞の生まれ変わりのトラブルの1つである、肌荒れや口内炎ができやすい方にもおすすめです。

ヒマワリの種はこんな方におすすめ

○血流を改善したい方
○健やかな髪を保ちたい方
○丈夫な体をつくりたい方
○美肌を目指したい方

ヒマワリの種の研究情報

【1】ラットを対象に、ひまわり種子油を30日間摂取させたところ、LDLコレステロールをはじめとする、脂質の状態が改善されたことから、ひまわりの種は高脂血症、動脈硬化予防効果が期待されています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/208301

【2】早産児に対するスキンケアには、特に生後2~4週間後には、ひまわり種子油が推奨されています。ひまわり種子油は殺菌作用を持つことから、美肌およびスキンケア効果を持つと期待されています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19650032

・Liapkov BG. (1978) “Effect of rations with an increased sunflower seed oil level on the rate of very low-density lipoprotein formation in the liver, secretion into the blood and composition in the blood” Vopr Pitan. 1978 May-Jun;(3):16-9.

参考文献

・Korner A, Dinten-Schmid B, Stoffel L, Hirter K, Kappeli S. (2009) “Skin care and skin protection in preterm babies” Pflege. 2009 Aug;22(4):266-76.

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