イワシペプチド(サーディンペプチド)

sardine peptide

イワシペプチドは、イワシのたんぱく質を酵素によって分解した健康成分です。イワシペプチドに多く含まれるバリルチロシンには血圧を下げる働きがあるといわれています。イワシの身のたんぱく質に含まれますが、一般的にペプチドの状態でサプリメントなどから摂取する方が望ましいとされています。

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イワシペプチド(サーディンペプチド)とは

●基本情報
イワシペプチドは、イワシのたんぱく質を酵素で分解した健康成分です。アミノ酸のバリンとチロシンが結合した、バリルチロシンと呼ばれる構造を持っていることが特徴です。バリルチロシンには、血圧を降下させる働きがあるといわれています。
イワシペプチドはイワシのたんぱく質を分解してつくられるペプチドで、たんぱく質とアミノ酸の中間の性質を持っています。イワシペプチドをはじめとするペプチドは、アミノ酸に比べ、一般的に身体に吸収されやすいといわれています。また、ペプチドはアミノ酸よりもサイズが大きいため、血液中をめぐる時間が長いといわれ、効果の持続性が期待されています。

●イワシペプチドを摂取する際の注意点
イワシは良質なたんぱく質に加えて、DHAやEPAといった不飽和脂肪酸、カルシウムなどのミネラルやビタミンDなど様々な栄養素が豊富に含まれている魚です。しかし、イワシを食べたとしてもイワシペプチドと同じような働きが期待できるわけではありません。酵素の消化を受けてバリルチロシンの構造を持つペプチドの状態になることで、より、人間の体に吸収されやすいといわれているため、サプリメントなどから効率よく摂取することが求められます。

●イワシペプチドをはじめとするペプチドの特性
ペプチドは、たんぱく質を構成するアミノ酸が2個から数十個つながって構成されている成分です。
ペプチドはもととなるたんぱく質や食品の種類によって働きが異なり、由来するものにちなんだ名前がつけられています。イワシペプチドをはじめとする魚由来のものや、ミルクペプチド、ホエイペプチドといった牛乳由来のもの、大豆ペプチドといった植物由来のものが存在します。
また、各ペプチドに含まれているアミノ酸の種類によって、働きが異なります。

イワシペプチド(サーディンペプチド)の効果

●高血圧を予防する効果
イワシペプチドの特徴であるバリルチロシンには血圧を降下させる働きがあり、血圧を正常に保つ効果があるといわれています。
高血圧は脳卒中や心臓病を引き起こす要因となり、塩分の多い食事や肥満などが原因で引き起こされます。
人間の体内で、体内の生理物質[※1]である「アンジオテンシンⅠ」が、「アンジオテンシンⅡ」に変換されることで血圧が上昇します。イワシペプチドに含まれるバリルチロシンは、「アンジオテンシンⅠ」から「アンジオテンシンⅡ」への変換に必要なACE酵素[※2]の働きを阻害させ、血圧を正常に保つ効果があります。
軽症高血圧の24名、正常高血圧の10名にサーディンペプチド1日に0.4mgを4週間投与すると、血圧の降下が認められたという実験結果もあります。
イワシペプチドを配合したサプリメントなどは厚生労働省より「血圧が高めの方に適した」特定保健用食品(トクホ)[※3]として効果が認定されています。【1】【2】【3】【4】

[※1:生理物質とは、人間の生理作用に作用を与える物質のことです。]
[※2:ACE酵素とは、体内で「アンジオテンシンⅠ」から「アンジオテンシンⅡ」へ変換させる物質です。]
[※3:特定保健用食品とは、特定の保健の目的が期待できることを表示した食品のことです。身体の生理学的機能などに影響を与える保健機能成分(関与成分)を含んでいます。その保健効果が当該食品を用いたヒト試験で科学的に検討され、適切な摂取量も設定されています。また、その有効性・安全性は個別商品ごとに国によって審査されています。]

イワシペプチド(サーディンペプチド)は食事やサプリメントで摂取できます

イワシペプチドを含む食品

○イワシ

こんな方におすすめ

○血圧が高い方
○味付けの濃い食べ物を好む方

イワシペプチド(サーディンペプチド)の研究情報

【1】自然発生高血圧ラットを対象に、イワシ(サーディン・sardine)のタンパク質酵素分解物(アミノ酸が数個つながったバリルチロシン)を20, 50 mg/kg の量で静脈注射したところ、血圧変化率(%)は収縮期血圧で3.9~9.9%減少し、拡張期血圧が22.6~28.0% 減少しました。この結果より、イワシペプチドが高血圧予防効果を持つと期待されています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/7549089

【2】自然発生高血圧ラットを対象に、イワシペプチド(10, 100, 1000 mg/kg)またはバリルチロシン(1, 10 mg/kg)を経口投与したところ、イワシペプチドは4時間後、バリルチロシンでは2時間後に血圧降下作用が見られ、その働きは投与8時間後まで持続したことから、イワシペプチドに血圧低下作用が示唆されました。
https://ci.nii.ac.jp/naid/10009713643

【3】高血圧自然発症ラットを対象に、ビタミンEとイワシペプチド(Y-2)を併用摂取したところ、血圧降下作用が見られたことから、イワシペプチドは高血圧予防効果が期待されています。
https://ci.nii.ac.jp/naid/10013724878

【4】ボランティア29名を対象にイワシペプチド抽出物を1日当たり4gの量で4週間摂取させたところ、最大血圧が9.3 mmHg、最低血圧が5.2 mmHg低下しました。イワシペプチドは血圧上昇酵素であるアンジオテンシン変換酵素Ⅰ(ACE)を阻害するはたらきがあることから、イワシペプチドは高血圧予防効果が期待されています。
https://ci.nii.ac.jp/naid/10009714420

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参考文献

・日経ヘルス 編 サプリメント大事典 日経BP社

・Matsufuji H, Matsui T, Ohshige S, Kawasaki T, Osajima K, Osajima Y. (1995) “Antihypertensive effects of angiotensin fragments in SHR.” Biosci Biotechnol Biochem. 1995 Aug;59(8):1398-401.”

・日本栄養・食糧学会誌,Vol.52, No. 5, 271-277 (1999)

・松本 均、伊藤 恭子、山岸 恵、中村 裕子 (2004) “高血圧自然発症ラットを用いたα-トコフェロールとイワシタンパク質由来ペプチド併用による血圧調節作用の解析” 日本食品科学工学会誌:51(10), 546-553, 2004-10-15

・松井 利郎、川崎 晃一 (2000) “食品タンパク質由来機能性ペプチドによる血圧降下作用 : イワシペプチド (Var-Tyr) による降圧食品の開発を中心として” 日本栄養・食糧学会誌:53(2), 77-85, 2000-04-10

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