ナノヒアルロン酸

ナノ(超微細化)ヒアルロン酸は、保水力に優れた成分であるヒアルロン酸をナノ化(超微細化)することで、従来のヒアルロン酸よりも吸収量が19倍に高められた成分です。ナノ(超微細化)ヒアルロン酸は吸収量を高めたことで、より健康効果を実感しやすくなると期待されています。

ナノヒアルロン酸とは

●基本情報
ナノ(超微細化)ヒアルロン酸とは、目や肌の潤いを保つ成分ヒアルロン酸をナノ化(超微細化)することで誕生した成分です。ヒアルロン酸は分子量が小さくなるほど、吸収されやすい特徴があります。ナノ(超微細化)ヒアルロン酸はナノ化(超微細化)によって従来のヒアルロン酸よりも吸収量が高められ、すばやく体内に吸収されていきます。

●ヒアルロン酸とは
ヒアルロン酸とはムコ多糖類[※1]の一種で保水力に優れた成分です。その保水力は1gで6リットルもの水分を抱え込むことができるほどです。ヒアルロン酸は目の硝子体や皮膚、膝の軟骨など体の様々なところに存在し、乾燥を防ぎ、みずみずしさやハリを与える働きをしています。体内に存在しているヒアルロン酸量は20歳をピークに減少していく傾向があり、40歳を過ぎると急激に減少していきます。60歳代になるとその量は20歳代の頃の約半分といわれています。【11】

●ナノ化(超微細化)とは
ナノ化(超微細化)とは、成分をナノレベルまで細かくし、体に吸収しやすくする技術のことです。ナノとは物の大きさの単位のことでギリシャ語で「小人・nanos」が語源です。1ナノメートルは100万分の1ミリメートルでホットコーヒーの湯気レベルといわれており、私たちの目で見ることはできません。

●ナノ(超微細化)ヒアルロン酸の歴史
ナノ(超微細化)ヒアルロン酸の主成分であるヒアルロン酸は、1934年に米国コロンビア大学のマイヤー教授らによって牛の目の硝子体から発見されました。 ヒアルロン酸という名前は、ギリシャ語で硝子体を意味する「Hyaloid」からHyaluronic acid(ヒアルロン酸)と名付けられました。その後の研究で、ヒアルロン酸は硝子体だけでなく、皮膚や関節、脳など体のさまざまな部分に存在していることがわかりました。現在では、体に潤いやみずみずしさを与える成分としてよく知られ、化粧品やサプリメントなどで使用されています。 しかしヒアルロン酸は高分子であるため、そのままでは体に吸収されにくい性質を持っています。 そこで体内に取り込んだヒアルロン酸を効率よく吸収し、体のすみずみまで行き届かせるために、高分子であるヒアルロン酸をナノ化(超微細化)し、超低分子になったものがナノ(超微細化)ヒアルロン酸です。 開発されたナノ(超微細化)ヒアルロン酸の分子サイズはヒアルロン酸の300分の1です。ナノ(超微細化)ヒアルロン酸の開発により、より効率よく吸収できる成分の誕生となりました。

●ナノ(超微細化)ヒアルロン酸の吸収
口から取り入れた食べ物は噛むことで細かくなり、さまざまな消化酵素により消化されていきます。 消化された食べ物は、その後腸で吸収されて体全体に届けられていきます。 ヒアルロン酸はもともと高分子であるため、そのままでは体内で吸収されにくい性質があります。 しかしナノ(超微細化)ヒアルロン酸は分子がナノレベルまで細かくなっているため、体内に吸収されやすくなっています。 ナノ(超微細化)ヒアルロン酸の体内吸収量はヒアルロン酸の19倍で、体のすみずみまで行き届かせることができます。

​[※1:ムコ多糖類とは細胞と細胞をつなぐ物質のことです。皮膚や間接、内臓などに存在します。]

ナノヒアルロン酸の効果

ナノ(超微細化)ヒアルロン酸はその有効成分を効率よく吸収し、早く実感できると期待されています。

●目の潤いを保つ効果
ナノ(超微細化)ヒアルロン酸は、その優れた保水力により目の潤いを保つ効果があります。 目は体の中で唯一外気にさらされている臓器のため、最も水分を必要とする臓器といわれています。ナノ(超微細化)ヒアルロン酸の主成分であるヒアルロン酸は、涙を角膜の表面につなぎとめ、乾燥を防ぎます。 また、ヒアルロン酸が多く含まれている目の硝子体は99%が水分でできており、網膜を傷つけないためのクッションのような役割をしています。【3】【7】

●美肌効果
ナノ(超微細化)ヒアルロン酸は、肌にハリと弾力を与え、美肌効果があります。 ナノ(超微細化)ヒアルロン酸の主成分であるヒアルロン酸は肌の真皮という部分に含まれており、肌の潤いとハリを保つ働きをしています。 年齢とともにヒアルロン酸が減少していくと、肌の水分が少なくなり、ハリや潤いも失われシワやたるみの原因になります。 そこでナノ(超微細化)ヒアルロン酸を積極的に補うことで弾力のある若々しい肌を保つことができます。 ナノ(超微細化)ヒアルロン酸は超低分子のため肌の角質深層部まで浸透し、肌の奥から潤いを与えることができます。【6】【8】

●関節の動きをなめらかにする効果
ナノ(超微細化)ヒアルロン酸はクッションの役割を果たし関節の動きをなめらかにする働きがあります。 ナノ(超微細化)ヒアルロン酸の主成分であるヒアルロン酸は体の関節と関節の間にある軟骨成分でなめらかな関節の動きをサポートしています。関節の中でも特に膝の関節は、全身の体重を支えるため、かなりの負担がかかっています。年齢とともに軟骨成分が減少すると、骨と骨がぶつかり、日常生活程度の運動でも痛みや炎症を引き起こしやすくなってしまいます。 ナノ(超微細化)ヒアルロン酸は軟骨形成を助け、関節の動きをなめらかにしてくれます。【1】【2】【9】

こんな方におすすめ

○ドライアイでお悩みの方
○パソコン・テレビ・携帯電話などをよく使われる方
○乾燥肌・肌荒れでお悩みの方
○肌のハリや弾力を保ちたい方
○美肌を目指したい方
○関節炎でお悩みの方
○スポーツをする方

ナノヒアルロン酸の研究情報

【1】膝関節症に対してヒアルロン酸治療が多く行われています。実施された治療について73例を調べたところ、ヒアルロン酸治療によって、約40-50%の症例において膝関節症の疼痛を改善することが明らかとなりました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22734561

【2】膝関節症に対する治療方法として、骨髄由来間葉幹細胞が重要ですが、同様にヒアルロン酸も治療法として有益であることがわかりました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22734248

【3】0.3%濃度のヒアルロン酸により、ヒト結膜上皮細胞における活性酸素によるDNA傷害が緩和されました。
これはヒアルロン酸のもつ、高い抗酸化力によるものと考えられます。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22729468

【4】36人の閉経後女性が7ヵ月間、高分子ヒアルロン酸を摂取したところ、膣の萎縮感や紅斑の症状の改善に効果的でした。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22728576

【5】声帯のヒアルロン酸量は若齢ラットでは1275.6ng/mgであったが、老齢のラットでは581.7ng/mgと減少していた。
年齢による発声障害は、年齢とともにヒアルロン酸が減少することが原因のひとつと考えられます。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22714840

【6】コラーゲンとヒアルロン酸を14日間摂取すると、軟骨組織再生初期における、SOXの遺伝子発現を60倍、Ⅱ型コラーゲン合成量を35倍、軟骨基質再生を約7倍に活性化させました。このことよりヒアルロン酸の軟骨保護作用が示唆されました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22658153

【7】原発性開放隅角緑内障患者の目の細胞を培養し、ヒアルロン酸を与えることによって、緑内障関連物質MMP-2とMMP-9の遺伝子の活発になりました。このはたらきはヒアルロン酸の濃度と比例して高くなりました。ヒトの房水のヒアルロン酸濃度の低下によるMMP-2とMMP-9[※2]の発現の低下が緑内障の発症メカニズムとの関係が示唆されました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22605928

【8】これまでに実施されたヒアルロン酸の皮膚への有効性試験として9件が報告されています。熱傷、静脈機能不全、糖尿病、神経性機能障害および外科的除去により起こる創傷の治癒に対する試験があり、9例中8例がヒアルロン酸の有効性を確認しています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22564227

【9】ヒト軟骨細胞において、ヒアルロン酸による軟骨細胞マトリックスの増加が確認されました。この研究結果より、ヒアルロン酸と軟骨形成との有効性が示唆されました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22559049

【10】腸にあるヒアルロン酸受容体での内因性ヒアルロン酸の結合を阻害されると、腸管の長さおよび結腸の長さが減少しました。結果、内因性ヒアルロン酸が正常な腸成長および腸の成長調節に寄与すると考えられました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22556141

【11】年齢とともに体内のヒアルロン酸は減少します。特に40歳代を境目に、体内のヒアルロン酸は大きく減少します。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/3829041

[※2:MMP-2、MMP-9とは、マトリックスメタロプロテアーゼという酵素のサブタイプの種類です。この酵素は疾患と関連が報告されています。]

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参考文献

・Colen S, van den Bekerom MP, Mulier M, Haverkamp D. 2012 “Hyaluronic Acid in the treatment of knee osteoarthritis: a systematic review and meta-analysis with emphasis on the efficacy of different products.” BioDrugs. 2012 Aug 1;26(4):257-68.

・Suhaeb AM, Naveen S, Mansor A, Kamarul T. 2012 “Hyaluronic acid with or without bone marrow derived-mesenchymal stem cells improves osteoarthritic knee changes in rat model: a preliminary report.” Indian J Exp Biol. 2012 Jun;50(6):383-90.

・Ye J, Zhang H, Wu H, Wang C, Shi X, Xie J, He J, Yang J. 2012 “Cytoprotective effect of hyaluronic acid and hydroxypropyl methylcellulose against DNA damage induced by thimerosal in Chang conjunctival cells.” Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol. 2012 Jun 24.

・Grimaldi EF, Restaino S, Inglese S, Foltran L, Sorz A, Di Lorenzo G, Guaschino S. 2012 “Role of high molecular weight hyaluronic acid in postmenopausal vaginal discomfort.” Minerva Ginecol. 2012 Aug;64(4):321-9.

・Ramos HV, Neves LR, Martins JR, Nader HB, Pontes P. 2012 “Influence of aging on hyaluronic acid concentration in the vocal folds of female rats.” Braz J Otorhinolaryngol. 2012 Jun;78(3):14-18.

・Matsiko A, Levingstone TJ, O’Brien FJ, Gleeson JP. 2012 “Addition of hyaluronic acid improves cellular infiltration and promotes early-stage chondrogenesis in a collagen-based scaffold for cartilage tissue engineering.” J Mech Behav Biomed Mater. 2012 Jul;11:41-52.

・Guo MS, Wu YY, Liang ZB. 2012 “Hyaluronic acid increases MMP-2 and MMP-9 expressions in cultured trabecular meshwork cells from patients with primary open-angle glaucoma.” Mol Vis. 2012;18:1175-81.

・Voigt J, Driver VR. 2012 “Hyaluronic acid derivatives and their healing effect on burns, epithelial surgical wounds, and chronic wounds: A systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials.” Wound Repair Regen. 2012 May-Jun;20(3):317-31.

・Callahan LA, Ganios AM, McBurney DL, Dilisio MF, Weiner SD, Horton WE Jr, Becker ML. 2012 “ECM production of primary human and bovine chondrocytes in hybrid PEG hydrogels containing type I collagen and hyaluronic acid.” Biomacromolecules. 2012 May 14;13(5):1625-31.

・Riehl TE, Ee X, Stenson WF. 2012 “Hyaluronic Acid Regulates Normal Intestinal and Colonic Growth in Mice.” Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol. 2012 May 3.

・Pilloni A, Annibali S, Dominici F, Di Paolo C, Papa M, Cassini MA, Polimeni A. 2011 “Evaluation of  efficacy of an hyaluronic acid-based biogel on periodontal clinical parameters. A randomized-controlled clinical pilot study.” Ann Stomatol (Roma). 2011 Mar;2(3-4):3-9.

・Longas MO, Russell CS, He XY. 1987 “Evidence for structural changes in dermatan sulfate and hyaluronic acid with aging.” Carbohydr Res. 1987 Jan 15;159(1):127-36.

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