ムメフラール

mumefural
Prunus mume

ムメフラールは、梅の果汁を長時間煮詰めてつくる、梅肉エキスに含まれる成分です。
梅肉エキス自体は黒褐色の水飴状シロップで、青梅1kgから20g程度しか生成できません。
ムメフラールは生梅や梅干しには含まれない、大変貴重な成分で、血流の改善効果が期待されます。

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ムメフラールとは

●基本情報
ムメフラールは、梅や梅干には含まれず、梅の果汁を煮詰めてつくる梅肉エキスに多く含まれます。ムメフラールはクエン酸と糖の一部からつくられており、血流を改善する効果が期待されています。

●ムメフラールの歴史
ムメフラールは1999年、忠田吉弘氏らにより発見されました。忠田吉弘氏らはムメフラールには赤血球がもつ、細い血管でもスムーズ通ることができる機能である、赤血球変形能を促進することを明らかにしました。名前の由来は梅の学名「Prunus mume」と糖質である「5-ヒドロキシメチルフルフラール」からつけられています。

●梅肉エキスについて
ムメフラールは殺菌・成長作用を持つ民間薬として古くから利用されてきました。梅肉エキスは、梅干しとは異なり、食塩が含まれていないので塩分摂取を制限されている人でも安心して摂取することができます。この梅肉エキスはクエン酸やアミノ酸などの有機酸類が多く含まれており、昔から殺菌、疲労回復、胃の保護作用を持つといわれています。

●ムメフラールの生成方法
ムメフラールを生成するためには、まず青梅を梅肉エキスにする必要があります。
梅肉エキスは、青梅をすりおろし、その果汁を弱火にかけて飴状になるまで長時間かけて煮詰めます。しかし、このように伝統的な方法で煮詰められた梅肉エキスは含まれたムメフラールの量にばらつきが生じるため、糖やクエン酸を添加することで効率よくムメフラールを製造する方法もあります。

ムメフラールの効果

●血流を改善する効果
ムメフラールは、赤血球変形能を促進させ、血小板凝集抑制作用を持つことで、血流を改善し、血栓の形成を予防します。人間の毛細血管を参考にしてつくられたマイクロチャンネルアレイという装置の実験では、梅エキス加えることで、成人男性の血流速度が改善したという結果もでています。
血液を固めるために働く血小板は、けがをしたときの止血に役立つのですが、正常な血管内で固まると血栓となり、脳梗塞や心筋梗塞の原因となります。ムメフラールには、血小板が集まってしまう血小板凝集を抑える働きがあり、血液の流れをスムーズに保つ働きがあるとされています。
ムメフラールは、梅エキスに豊富に含まれるクエン酸と一緒に働くことで相乗効果が期待されます。

ムメフラールは食事やサプリメントから摂取できます

ムメフラールを含む食品

○梅肉エキス

こんな方におすすめ

○血流を改善したい方

ムメフラールの研究情報

【1】梅肉エキスおよび黒豆煮汁中の血小板凝集能を評価したところ、梅肉エキス中の血小板凝集抑制物質がクエン酸および製造工程(加熱)中に生じる新規物質(ムメフラール)であることがわかりました。ムメフラールは血流改善効果を持つと期待されています。
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/nfri/1998/nfri98-01.html

参考文献

・清水 俊雄 編、志村 二三夫 篠塚 和正著、機能性食品素材便覧―特定保健用食品からサプリメント・健康食品まで 薬事日報社

・板倉 弘重 著 最新サプリメント・ガイド 日本評論社

・高宮和彦 編 色から見た食品のサイエンス サイエンスフォーラム

・忠田吉弘・小野裕嗣・亀山眞由美・永田忠博・菊池佑二 (1998) “梅肉エキス中の血流改善成分” ヘモレオロジー研究会誌、1、65-68、1998.

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