マンゴー

mango
Mangifera indica L.

主に暖かい地域で育てられているマンゴーには、ビタミンAを始め、貧血予防や動脈硬化の予防などの成分が豊富に含まれている果実です。特に女性に嬉しい美肌づくり促進、そして妊婦に欠かせない葉酸を豊富に含む果実です。

マンゴーとは

●基本情報
インドやマレー諸島、インドシナ半島などの暖かい地域で育つウルシ科マンゴー属の常緑大高木です。マンゴーはチェリモヤやマンゴスチンと一緒に世界三大美果といわれる果物ですが、生産量の増加によりプリンやケーキ、アイスクリームなどとして浸透していき、デザートとしてなじみのある果物となりました。

●マンゴーの歴史
約4000年前からミャンマーやインド東部で栽培が行われていたマンゴーですが、日本には明治時代に入ってきて1970年頃から栽培されるようになりました。栽培当初はマンゴーの開花時期が日本の梅雨の時期と被っていましたが、ハウス栽培に切り替えたことで安定したマンゴーを栽培することができるようになりました。日本で栽培されているマンゴーの種類は主にアーウイン種のものです。マンゴーは一般的に1月~4月に花を開花させ、5月~10月に、実が熟します。

●マンゴーの保存方法
マンゴーの食べ時は、品種にもよりますが、実が少し柔らかくなり、甘い香りが強くなったころです。果肉がかたい未熟なマンゴーは涼しい場所で追熟させる必要があります。完熟したものはポリ袋にいれ、冷蔵庫の野菜室へ保存するのが良い。

●マンゴーの種類
・ アップルマンゴー(アーウィン種)
果実は400~500g前後の卵形で、果皮がリンゴのように真っ赤になります。果肉は多汁でで、濃厚な甘みと酸味、食感が人気です。

・ 太陽のタマゴ
宮崎県独自のブランドで、アーウィン種のアップルマンゴーの中でも「糖度が15度以上」、「重さ350g以上」、「色と形がきれい」という基準を満たした完熟マンゴー。収穫の前に実にネットをかぶせ、実が自然落下するのを待って樹熟してから出荷します。

●マンゴーを摂取する際の注意点
マンゴーはウルシ科の果物なので、アレルギーのある人はかゆくなったり、かぶれたりしてしまうので、注意が必要です。

●マンゴーに含まれる成分
マンゴーにはビタミンAβカロテンビタミンC 、葉酸が豊富に含まれている果実です。また特徴として、マンゴーの果実がまだ青い時期はビタミンC、果実が熟すほどにβカロテンの量が多く含まれています。

<豆知識>メキシコや中央アメリカでの食し方
日本ではマンゴーのに果実をそのまま味わいますが、メキシコや中央アメリカでは幼果に唐辛子粉や塩をつけて食べる地域や、花や幼葉を調理して食す地域もあります。

マンゴーの効果

●美容効果
マンゴーに含まれるビタミンAβカロテンは抗酸化力により、若々しく美しい肌を保ちます。またカリウムの腸内の筋肉促進による老廃物の排出やむくみの解消によるダイエット効果、ビタミンCのメラニン色素生成の防止による美肌づくりに効果的です。【1】

●貧血の予防効果
マンゴーに含まれる葉酸は貧血の予防に働きかけてくれます。葉酸の働きとしては、新しい赤血球をつくる成分で、赤血球のもととなる赤芽球の合成に関わる必要不可欠なビタミンです。

●高血圧や動脈硬化の予防効果
マンゴーに含まれるカリウムに多くあり、筋肉のエネルギー代謝や神経伝達する作用があります。また、高血圧や動脈硬化、脳梗塞や心筋梗塞の予防の働きもします。【2】

マンゴーは食事やサプリメントで摂取できます

こんな方におすすめ

○貧血でお悩みの方
○動脈硬化を予防したい方
○肌荒れが気になる方
○成長期のお子様

マンゴーの研究情報

【1】UVB暴露マウスを対象に、マンゴー抽出液を100mg/kg の量で0.1mL 経口投与したところ、紫外線によるしわやコラーゲン組織の破壊が緩和されたことから、マンゴーは皮膚保護作用を持つと考えられています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23458392

【2】高血圧ラットを対象に、マンゴー抽出物ならびマンギフェリン(マンゴーの機能性成分)を投与したところ、炎症関連酵素シクロオキシゲナーゼ-2ならびにiNOSが阻害されたことから、マンゴーは抗炎症作用を持ち、血管を健康に保つ働きがあると考えられています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15381052

【3】マンゴーに含まれる機能性成分であるマンギフェリンは、鉄過剰症における酸化ストレスを軽減したことから、マンゴー抽出物は優れた抗酸化力を持つと考えられています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17000117

参考文献

・則岡孝子監修 栄養成分の事典 新星出版社

・Song JH, Bae EY, Choi G, Hyun JW, Lee MY, Lee HW, Chae S. 2013 “Protective effect of mango (Mangifera indica L.) against UVB-induced skin aging in hairless mice.” Photodermatol Photoimmunol Photomed. 2013 Apr;29(2):84-9.

・Beltrán AE, Alvarez Y, Xavier FE, Hernanz R, Rodriguez J, Núñez AJ, Alonso MJ, Salaices M. 2004 “Vascular effects of the Mangifera indica L. extract (Vimang).” Eur J Pharmacol. 2004 Sep 24;499(3):297-305.

・Pardo-Andreu GL, Sánchez-Baldoquín C, Avila-González R, Yamamoto ET, Revilla A, Uyemura SA, Naal Z, Delgado R, Curti C. 2006 “Interaction of Vimang (Mangifera indica L. extract) with Fe(III) improves its antioxidant and cytoprotecting activity.” Pharmacol Res. 2006 Nov;54(5):389-95.

もっと見る 閉じる

ページの先頭へ