マカ

maca

マカは、南米ペルーのアンデス山脈に自生する植物の一種です。
栄養価が高く、古くからスタミナ源として重宝されており、「アンデスの女王」とも呼ばれています。
滋養強壮や精力増強のほか、更年期障害の症状の改善、肌の老化防止にも効果があるといわれています。

マカとは?

●基本情報
マカはだいこんやカブと同じアブラナ科の植物で、球根の部分にアミノ酸やミネラルなど多くの栄養を含んでいます。
根の色には白・黄色・紫・ピンクなど様々な種類があり、色が濃いほど栄養を豊富に含むといわれています。
中でも、濃い赤や紫の「マカ・モラーダ種」という品種のマカは、特に栄養が豊富であるとして重宝されています。
マカは、南米ペルーのアンデス山脈の山地に自生しています。アンデス山脈は、標高4000mにも及ぶ高地であり、霜やひょうなどの冷害や干ばつが発生するほか、年間の平均気温が7℃以下という厳しい気候条件が特徴です。
マカは、このような厳しい自然環境の中で育つ数少ない植物であり、古くからアンデスの人々にとっての貴重な滋養強壮食として用いられています。

●マカの歴史
マカの歴史は非常に古く、数千年前から栽培されていたといわれています。
考古学においては、マカの起源はペルーのフニン州という地域であると考えられています。
ペルーの古代国家であるインカ帝国の時代には、既にマカが人々に食されており、生のマカを焼く、蒸すといった方法で調理され、食卓に欠かせない食べ物として珍重されていました。
また、乾燥させたマカは長期保存が可能であることから、保存食としてだけではなく、低地で収穫されるコメやトウモロコシなどの穀類と交換することができる貴重な交易資源として扱われていました。
現在では、マカが滋養強壮だけではなく、生殖能力の維持や改善に効果があるとして注目されており、マカを乾燥させた粉末や、マカから抽出されたエキスがサプリメントの原料として利用されています。

<豆知識①>インカ帝国征服の要因
インカ帝国を征服したスペイン人は、侵略のために多くの馬を持ち込みました。
しかし、馬たちは高地での過酷な自然環境に適応できず、子孫を残すことなく次々と倒れてしまいました。
そこで、アンデスの先住民たちに教えられたマカをエサとして食べさせたところ、馬の活力がよみがえり、繁殖が盛んになり絶滅の危機を逃れたといわれています。この出来事が、スペイン人がインカ帝国を征服するひとつの要因となったといわれています。
また、スペイン人はアンデスに住む子どもたちの栄養状態と大人の体格の良さの秘訣がマカの効果によるものだと発見し、征服の期間中に豚や鶏などの家畜の育成にもマカを使用したと考えられています。

●マカの栽培方法
マカは、10~11月にかけて種まきが行われます。
機械を使用せず、種が土の中に埋まるよう畑一帯を踏みならすという自然農法を行い、翌年の6~7月にかけて収穫が行われます。

<豆知識②>豊富な栄養素の理由
一度マカを栽培した土地は、その後数年間不毛になるといわれています。
​これは、マカが栄養を蓄える過程で、土壌の栄養分を吸い取ってしまうためです。
そのため、マカを栽培したあとは5~6年ほど土地を休ませる必要があり、再び土壌に栄養が行き渡ってから栽培を再開するという方法が取られています。

●マカに含まれる栄養素
マカの主成分は炭水化物ですが、根菜類の中でも特にたんぱく質が豊富に含まれています。
マカにはたんぱく質を構成するアミノ酸のうち、老化を予防するアルギニンなど必須アミノ酸[※1]をバランス良く含んでいます。
さらに、マカには食物繊維やミネラル、ビタミンのほか、アントシアニンやサポニンなど、多くの栄養成分が含まれています。
このように、栄養素を豊富に含むマカは「アンデスの女王」とも呼ばれており、滋養強壮の効能に注目が集まっています。
​生殖機能や持久力強化のための男性の活力源として利用されるほか、女性のパワーの源としてもマカのサプリメントは多数販売されています。

<豆知識③>宇宙食にもマカが利用されている
マカは、宇宙飛行士が体力を維持するための宇宙食の原料としても評価されています。
宇宙空間は重力が乏しく、このような過酷な環境での任務は、体調不調を引き起こしかねません。
​そこで、滋養強壮作用が強いマカを宇宙食として利用し、宇宙飛行士たちの体力や、優れた反射能力を維持するために役立てられています。

[※1:必須アミノ酸とは、動物の成長や生命維持に必要であるにも関わらず体内で合成されないため、食物から摂取しなければならないアミノ酸のことです。バリン、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、メチオニン、リジン、ヒスチジン、フェニルアラニン、トリプトファンの9種類が存在します。]

マカの効果

●美肌効果
マカに含まれるアルギニンには、成長ホルモンの分泌を促進することによって、老化を予防する効果があります。
皮膚や筋肉、骨、血管などをつくる細胞の新陳代謝[※2]は、成長ホルモンによってコントロールされています。
成長ホルモンの分泌は、20歳頃から徐々に減少するため、老化が進行してしまいます。
皮膚で老化現象が引き起こされると、しわやたるみとなって肌の表面に現れます。
新陳代謝が衰えると、古い角質が肌の表面に蓄積されたままになるため、肌荒れが引き起こされやすくなります。
このように、老化を予防するためには、成長ホルモンの分泌量を増加させることが重要となります。
アルギニンは、成長ホルモンの分泌を活発化させる働きがあるといわれており、アルギニンが含まれるマカを摂取することで、肌の老化予防に役立てることができます。またマカには紫外線によるメラニン産生を抑制する他、紫外線照射による皮膚のダメージを和らげる働きも報告されており、肌を守る効果が期待されています。【5】【6】その他にも、マカには肌を健康に保つ栄養素が豊富に含まれています。
ビタミンB群は、皮膚の新陳代謝を促進し、肌に弾力性をもたらします。
そして、ビタミンEには、血行を促進することで肌の血色を良くする働きがあります。
また、マカに含まれているミネラルのひとつである亜鉛は、成長ホルモンの分泌を促進し、新陳代謝が正常に行われるよう働きかけるため、若々しい肌を保つ上で重要な成分です。
●更年期障害による症状を改善する効果
更年期障害は、女性ホルモンのバランスが乱れることによって引き起こされます。
女性ホルモンはふくよかな体つきや、妊娠・出産といった生殖活動を行うために分泌されます。
しかし、年齢とともに卵巣の機能が衰え、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンの分泌が減少することによってホルモンバランスが乱れてしまい、様々な不快症状が現れる更年期障害が引き起こされます。
更年期障害になると、顔のほてりやのぼせ、発汗、肩こり、頭痛などの身体的な症状に加えて、イライラ、不安、憂鬱など、精神的な症状がみられます。
また、無理なダイエットやストレス、喫煙、睡眠不足などの生活習慣が原因でエストロゲンの分泌が減少するといわれているため、若い女性の場合でも、更年期障害に似た症状が現れることがあります。
マカには更年期障害であるうつ症状や不安症を和らげるほか、骨粗しょう症の予防にも役立つことが報告されており、更年期障害予防効果が期待されています。【3】【4】
●動脈硬化を予防する効果
​動脈硬化は、血管が老化してしまうことによって引き起こされます。 この血管の老化は活性酸素の増加が原因だとされています。
​動脈硬化により血管が細くなり血栓[※3]ができやすくなると、心筋梗塞や脳梗塞など命に関わる病気になる危険性が高まります。
体の中に入ってきた細菌やウイルスを退治してくれる働きを持つ活性酸素は、人間の体にとって必要なものですが、増えすぎるとその強力な作用により細胞を傷付けてしまうため、病気や老化の原因となります。

活性酸素は、大気汚染や紫外線、ストレス、喫煙、食品添加物の過剰摂取などが原因で増加するといわれており、現代人の生活環境は、活性酸素によるダメージを受けやすいのです。
マカは、活性酸素による体のサビつきを予防する抗酸化作用[※4]があり、この血管の老化を防ぐことによって、動脈硬化を予防する効果があります。
●精力を増強させる効果
マカに含まれているアルギニンは、成長ホルモンの分泌に関わるだけではなく、精子の形成に必要となるため、男性の不妊症に対するマカの効果が注目されています。
また、マカには精力を向上させる作用があるといわれるグルコシノレートという成分が含まれており、性機能を高めるための活力源としてマカのサプリメントが販売されています。【1】【2】

[※2:新陳代謝とは、古い細胞や傷ついた細胞が、新しい細胞へ生まれ変わることを指します。]
[※3:血栓とは、血液中の血小板などが固まってできる塊のことです。動脈硬化や脳梗塞の原因にも成り得るといわれています。]
[※4:抗酸化作用とは、たんぱく質や脂質、DNAなどが酸素によって酸化されるのを防ぐ作用です。]

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マカは食事やサプリメントで摂取できます

こんな方におすすめ

○美肌になりたい方
○更年期障害を予防したい方
○動脈硬化を予防したい方
○活力を付けたい方

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マカの研究情報

【1】健常成人男性57名にマカを1日当たり1.5g もしくは3.0g 、3カ月間摂取させたところ、性欲の改善が認められました。
一方男性ホルモンや女性ホルモンの量には変化はなかったことから、マカは性ホルモンとは無関係に、性欲改善効果を持つことが確かめられました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12472620

【2】健常成人男性9名において、マカを1日当たり1.5g もしくは3.0g を4カ月間摂取させたところ、性ホルモンには直接影響を及ぼすことなく、精液量や精子数、運動性精子数が増加しました。マカには、性ホルモンとは無関係に、生殖機能改善効果を有することが示唆されました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11753476

【3】卵巣摘出ラットにおいて、マカ抽出物を1日当たり0.24g/kg を28週間投与したところ、骨密度の低下が抑制されたことから、マカには更年期障害による骨粗しょう症予防効果が期待されています
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16466876

【4】閉経後女性14名において、マカを1日当たり3.5g 、12週間摂取させたところ、更年期症状である不安症およびうつ病改善が見られたことから、マカは更年期障害予防効果が期待されています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18784609

【5】ラットにマカ抽出物(0.13g/mL)を3週間摂取させた後、紫外線に暴露させると、紫外線暴露による皮膚表皮の厚化が緩和されたことから、マカには皮膚保護作用を有することが示唆されました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18201354

【6】マカ抽出物には、紫外線暴露によるメラニン産生を阻害することによる皮膚保護作用が知られている。そのはたらきは、チロシナーゼを直接阻害するはたらきではなく、色素形成に関与する物質Mitf に作用するものと考えられており、マカには色素障害などの皮膚障害を予防するはたらきが示されました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16280009

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参考文献

・原山 建郎 著 久郷 晴彦監修 最新・最強のサプリメント大事典 昭文社

・NPO日本サプリメント協会 サプリメント健康バイブル 小学館

・日経ヘルス 編 サプリメント大事典 日経BP社

・蒲原聖可 サプリメント事典 平凡社

・師岡孝次著 マカの若返り効果と天然ビタミンE・Cで美肌実現 ハート出版

・Gonzales GF, Cordova A, Vega K, Chung A, Villena A, Gonez C, Castillo S. 2002 “Effect of Lepidium meyenii (MACA) on sexual desire and its absent relationship with serum testosterone levels in adult healthy men.” Andrologia. 2002 Dec;34(6):367-72.

・Gonzales GF, Cordova A, Gonzales C, Chung A, Vega K, Villena A. 2001 “Lepidium meyenii (Maca) improved semen parameters in adult men.” Asian J Androl. 2001 Dec;3(4):301-3.

・Zhang Y, Yu L, Ao M, Jin W. 2006 “Effect of ethanol extract of Lepidium meyenii Walp. on osteoporosis in ovariectomized rat.” J Ethnopharmacol. 2006 Apr 21;105(1-2):274-9.

・Brooks NA, Wilcox G, Walker KZ, Ashton JF, Cox MB, Stojanovska L. 2008 “Beneficial effects of Lepidium meyenii (Maca) on psychological symptoms and measures of sexual dysfunction in postmenopausal women are not related to estrogen or androgen content.” Menopause. 2008 Nov-Dec;15(6):1157-62.

・Gonzales-Castaneda C, Gonzales GF. 2008 “Hypocotyls of Lepidium meyenii (maca), a plant of the Peruvian highlands, prevent ultraviolet A-, B-, and C-induced skin damage in rats.” Photodermatol Photoimmunol Photomed. 2008 Feb;24(1):24-31.

・Choi H, Ahn S, Lee BG, Chang I, Hwang JS. 2005 “Inhibition of skin pigmentation by an extract of Lepidium apetalum and its possible implication in IL-6 mediated signaling.” Pigment Cell Res. 2005 Dec;18(6):439-46.

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