ラフマ

luobuma fiber
羅布麻 ヤンロン 紅麻 こうま トウバシクルモン 
Apocynum venetum

ラフマは中国西部から北西部にかけて自生する植物で、ハーブの一種として知られています。中国では昔から葉の部分をお茶にして利用されてきました。ラフマには血圧を下げる効果やコレステロールを下げる効果があるといわれており、昔からラフマ茶をよく飲む地域では病気の人が少ないといわれています。

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ラフマとは?

●基本情報
ラフマ(ラフマ)はキョウチクトウ科の多年草[※1]で、中国の西部から北西部にかけてある羅布高原に自生しています。ラフマは繊維質に富んだ植物で砂州や谷、山地の砂地を好み湿地に自生します。茎は直立し葉は楕円形で少し細身の卵形をしています。ラフマはハーブの一種として知られており、血圧を下げる効果や精神安定、免疫力の向上など様々な効果があります。ラフマは古くから精神を癒す生薬として知られています。日本ではこのラフマでつくられたお茶をヤンロンティーと呼ぶこともあります。近年ラフマ茶の研究が進められており、ラフマ茶は中国では薬として認められるようになりました。またラフマの茎は繊維質に富んでいるため、織物にされることもあります。このラフマの繊維を含んだ織物には血圧が低下するなど薬草の効果を持った布として知られています。日本ではラフマは薬用成分には指定されていません。

●ラフマの歴史
ラフマは昔から中国で葉をお茶にして飲まれてきました。ラフマ茶は健康に良いお茶であるとされていて、ラフマ茶を飲んでいる人は長寿の人が多いといわれています。日本でもラフマ茶は飲まれていますが、よくヤンロンティーと呼ばれています。これは日本人の口に合うようにラフマを焙煎しなおしてお茶にしているためです。近年ラフマがメンタルケアのハーブとして効果的であることが知られるようになりました。

●ラフマに含まれる成分と性質
ラフマはお茶だけではなく様々な使われ方をしています。ラフマは中国では薬として認められており、精神安定、風邪、高血圧や高コレステロールなど様々な症状に効果的です。しかし日本では現在薬としては認可されていません。お茶として利用するのは葉の部分ですが、葉にはフラボノイドやアミノ酸を豊富に含んでおり、ラフマ茶は生活習慣予防から抗菌作用まで様々な効果が期待できます。また、ラフマの根には強心作用があるといわれており、適量であれば、強心剤の役割が期待できるため、薬としての利用できる可能性はありますが、過剰摂取してしまうと心臓の収縮が強くなり、心拍数も少なくなってしまいます。そのため葉をお茶として使えるからといって根を食べてはいけません。

<豆知識>ラフマの布の利用法
ラフマの茎はとても繊維質に富んでいます。そのため、このラフマの繊維で布を作ることがあります。この布を用いた布団などの寝具で睡眠を取ると、高血圧の予防や気管支ぜんそくの改善につながるという報告もあります。

[※1:多年草とは、茎の一部、地下茎、根などが枯れずに残り、複数年にわたって生存する草のことです。]

ラフマの効果

●精神を安定させる効果
ラフマには心を落ち着かせる効果があります。ラフマ抽出物を用いた動物実験で、ラフマの抗うつ作用が示されています。ラットにラフマ抽出物を1日1回14日間投与し、抗うつ作用の検討を行ったところ、ラフマ抽出物は濃度依存的にうつ状態を抑えたということが分かっています。
また、脳内のホルモンへの影響も調べられており、ラフマはノルアドレナリンに作用しセロトニンには影響を与えないということが分かっています。【1】

●生活習慣病の予防・改善効果
ラフマには生活習慣病を予防する効果があります。
ラフマにはケルセチンに変わるフラボノイドやカリウムが含まれているため、血圧が正常に保たれ、高血圧予防に効果があるといわれています。またラフマの茎の繊維を用いてつくられた布でつくられた寝具を用いて寝ると、血圧が下がったとの報告があります。これはラフマに含まれる有効成分が血管の壁を緩めるためだと考えられています。ラフマの繊維で作られた寝具には、血圧低下だけではなく、コレステロール値を下げる効果があるため、高脂血症[※2]や動脈硬化[※3]の予防にも効果的で、血小板[※4]凝集が抑制されるという効果も報告されているため、生活習慣病[※5]予防に効果的です。【2】【3】

●喘息を予防する効果
ラフマには喘息を予防する効果があります。
ラフマ茶の薬理活性として、喘息の軽快、咳止め、痰、風邪の予防に効果的との報告があります。ラフマの繊維が混ざった布で作られた寝具を使用すると慢性気管支炎や喘息の改善に効果があったという報告もされています。

●抗菌効果
ラフマの葉にはカテキンが豊富に含まれています。カテキンとは緑茶などのお茶に多く含まれているお茶の渋み成分の一種で抗菌作用があります。そのためお茶でうがいをすると虫歯になりにくいといわれます。

[※2:高脂血症とは、血液中に溶けているコレステロールや中性脂肪値が必要量よりも異常に多い状態のことです。コレステロールは過剰になると体に障害をもたらします。糖尿病と同様に自覚症状に乏しく、動脈硬化によって重篤な病気を引き起こすのが特徴です。]
[※3:動脈硬化とは、動脈にコレステロールや脂質がたまって弾力性や柔軟性がなくなった状態のことです。血液がうまく流れなくなることで心臓や血管などの様々な病気の原因となります。]
[※4:血小板とは、血液に含まれる細胞の一種です。血管が傷ついた時に集合体になり、止血する役割を持ちます。]
[※5:生活習慣病とは、病気の発症に、日頃の生活習慣が深く関わっているとされる病気の総称です。糖尿病、脳卒中、脂質異常症、心臓病、高血圧、肥満などが挙げられます。]

ラフマは食事やサプリメントで摂取できます

こんな方におすすめ

○うつ状態の方
○生活習慣病を予防したい方
○喘息を予防したい方

ラフマの研究情報

【1】ラフマの葉は伝統薬用植物として知られています。ラフマの葉の抽出物はドーパミン、ノルアドレナリンの代謝を上げることで抗うつ効果を示すことが報告されています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23453939

【2】ラフマ葉の抽出物は高血圧の薬として中国で使用されてきました。その効果は活性酸素除去効果と一酸化窒素(NO)の放出を抑えることでおこると示唆されました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22835814

【3】ラフマは中国で昔から民間薬として使われてきました。その効能は心臓血管の病気の予防や、神経の病気、高血圧予防、高コレステロール予防などに効果があるとされています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22421379

参考文献

・五明紀春 食材健康大事典 時事通信社

・藤田紘一郎 知識ゼロからの健康茶入門 幻冬舎

・石原 茂正 編 機能性ハーブの生理活性 (株)常盤植物化学研究所

・清水俊雄 機能性食品素材便覧 特定保健用食品からサプリメント・健康食品まで 薬事日報社

・北川勲 編集 食品薬学ハンドブック 講談社

・Zheng M, Fan Y, Shi D, Liu C. (2013) “Antidepressant-like effect of flavonoids extracted from Apocynum venetum leaves on brain monoamine levels and dopaminergic system.” J Ethnopharmacol. 2013 May 2;147(1):108-13.

・Lau YS, Kwan CY, Ku TC, Hsieh WT, Wang HD, Nishibe S, Dharmani M, Mustafa MR. (2012) “Apocynum venetum leaf extract, an antihypertensive herb, inhibits rat aortic contraction induced by angiotensin II: a nitric oxide and superoxide connection.” J Ethnopharmacol. 2012 Sep 28;143(2):565-71.

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