白金ナノコロイドとは
●基本情報
白金ナノコロイド[※1][※2]は、白金(プラチナ)をナノメートル(10億分の1メートル)単位に超微細化した機能性食品素材です。白金ナノコロイドには強い抗酸化力[※3]があり、その力はコエンザイムQ10やビタミンC、ポリフェノールなどを上回るといわれています。コエンザイムQ10などこれまで一般的に知られている抗酸化物質は、体内に7種類あるといわれる活性酸素[※4]のうちの特定のものにしか働きかけませんでした。しかし白金ナノコロイドは、7種類すべての活性酸素に効果を発揮することがわかっています。また、これまでサプリメントなどで補っていた抗酸化物質は、活性酸素を除去する際に体内で代謝され効能を失っていましたが、白金ナノコロイドは触媒[※5]として機能するため、体内で変化することなく効果を発揮し続けることができます。このように生活習慣病や老化の原因物質となる活性酸素を除去する働きから、注目を集めている新素材です。
●白金ナノコロイドの歴史
白金ナノコロイドは2005年に東京大学大学院の宮本教授を中心とする研究グループの最新技術によって、研究開発された比較的新しい素材です。白金ナノコロイドの持つ驚異的な抗酸化力から、近年健康食品や化粧品の原材料として用いられています。
また、医薬分野での研究も進められています。
●白金ナノコロイドの安全性
白金ナノコロイドは、食品添加物として厚生労働省の認可を受けている成分です。これまでの抗酸化物質とは違い体内で存在する限り効果を発揮し続けます。体内には26時間ほど停滞しその後排泄されるため、白金ナノコロイドが体内に蓄積されることはありません。また、白金ナノコロイドは小腸からほとんど吸収されないことが確認されており、その他数々の安全性試験が実施され、安全性が確認されています。
[※1:白金とは、原子番号78の金属元素で、元素記号はPtです。灰白色を帯び、鮮明な光沢をもつ貴金属で、展性・延性に富みます。]
[※2:コロイドとは、0.1~0.001μm程度の極微細な粒子が、液体・気体・固体などの媒体中に分散している状態を指します。]
[※3:抗酸化力とは、たんぱく質や脂質、DNAなどが酸素によって酸化されるのを防ぐ力です。]
[※4:活性酸素とは、普通の酸素に比べ、著しく反応が増すことで強い酸化力を持った酸素のことです。体内で過度に発生すると、脂質やたんぱく質、DNAなどに影響し、老化などの原因になるといわれています。]
[※5:触媒とは、自身は変化せず、接触する周りの物質の化学反応の速度を変化させる物質のことです。]
白金ナノコロイドの効果
●生活習慣病の予防・改善効果
活性酸素はもともと人間の体内で自然につくられる物質で、白血球の中で細菌を殺すなど、健康維持のために必要なものです。しかし、ストレスや紫外線、不規則な生活習慣や偏った食生活などにより活性酸素が必要以上に作られてしまうと、ガン、動脈硬化、心臓病、糖尿病などの生活習慣病を引き起こす要因になります。
通常体内で発生した活性酸素は、酵素の働きによって消去されますが、30代を過ぎる頃からその働きが低下します。そうして体内に停滞した活性酸素は、老化の原因になり、病気を発生、進行させてしまします。
白金ナノコロイドには、血行促進作用による血栓症の予防効果や、悪玉(LDL)コレステロールを低下させ、酸化を防ぐ働きよる動脈硬化の予防効果などがあることから、生活習慣病に効果を発揮します。
●美肌効果
白金ナノコロイドはアンチエイジングや、美肌、美髪に効果があるといわれています。皮膚を構成する成分として、細胞と細胞を結ぶコラーゲンや、コラーゲンを結びつけているエラスチンなどがあります。これらの成分により肌の弾力が保たれていますが、活性酸素によって酸化されてしまうとその機能が失われてしまいます。その結果、肌の弾力が失われて深いシワやシミができやすくなってしまします。白金ナノコロイドにはこれらの活性酸素に働きかけて肌を若々しく保つ効果があります。また、傷んだ髪を修復する効果も期待されています。
●その他の効果
白金ナノコロイドの持つ抗酸化作用には、体内の糖分をエネルギーに変える働きがあることから、疲労回復に効果があります。また、白金ナノコロイドにはエネルギーの消費を向上させる働きもあるといわれています。
食事やサプリメントから摂取できます
こんな方におすすめ
○生活習慣病を予防したい方
○老化を防ぎたい方
○肌のハリや弾力を保ちたい方
○健やかな髪を保ちたい方
白金ナノコロイドの研究情報
【1】白金ナノコロイドとコエンザイムQ10と水溶性ビタミンE誘導体を併用すると、それぞれ単独で使用するより抗酸化作用が増強したことから、白金ナノコロイドは優れた抗酸化力を持つと期待されています。
https://ci.nii.ac.jp/naid/40015176099
【2】白金ナノコロイドはSODやカタラーゼと同様な働きをすることから、白金ナノコロイドは優れた抗酸化力を持つと期待されています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17516233
【3】ヒト口腔上皮細胞を用いたところ、白金ナノコロイドにより、過酸化水素の添加による細胞活性の低下及び細胞からのIL-8産生量増加が抑制されることが明らかとなりました。白金ナノコロイドは抗炎症作用を持つと期待されています。
https://ci.nii.ac.jp/naid/10026398201
参考文献
・蒲原聖可 サプリメント事典 平凡社
・矢澤一良 編 アスタキサンチンの科学 成山堂書店
・川崎 大輔、深堀 勝博、栗本 忠 、他 (2006) “白金ナノコロイド,コエンザイムQ10およびビタミンEの併用による抗酸化作用の増強” Fragrance Journal 2006;34 :90-94
・Kajita M, Hikosaka K, Iitsuka M, Kanayama A, Toshima N, Miyamoto Y. (2007) “Platinum nanoparticle is a useful scavenger of superoxide anion and hydrogen peroxide.” Free Radic Res. 2007 Jun;41(6):615-26.
・長尾 清香、佐藤 拓也、加藤 伸一、チェン リ、宮本 有正 (2009) “The Inhibitory Effect of Platinum Nanoparticle on Oxidative Cytotoxicity” Journal of Japanese Society for Oral Mucous Membrane 15(1), 29-36, 2009-06-30