カフェ酸

caffeic acid

コーヒーに含まれるポリフェノールの一種であるカフェ酸は、コーヒーの深い香りや色、香りのもとです。
カフェ酸はリラックス効果やガンを予防する効果、動脈硬化を抑制する効果を持っているといわれていますが、現在も様々な研究が進められている注目の成分です。

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カフェ酸とは

●基本情報
カフェ酸とは、コーヒーに含まれているポリフェノールの一種です。コーヒー酸とも呼ばれています。
コーヒー豆の中にはクロロゲン酸というポリフェノールが含まれています。クロロゲン酸は熱に弱いため、コーヒー豆を焙煎する工程でクロロゲン酸からカフェ酸が分離されます。コーヒーの深い香り、色や苦みのもとなっている成分の主成分は、このカフェ酸です。
カフェ酸にはリラックス効果や、ガン細胞の転移や増殖を抑制する効果も認められており、引き続き研究が進められています。

カフェ酸の効果

●リラックス効果
カフェ酸のもつ香りにはリラックス効果があると知られています。
私たちの脳に直接働きかけ気分を落ち着かせます。その時脳内ではリラックス時に現れるα波という脳波が出現していることが分かっています。
また、リラックス作用だけでなく脳を活性化させる働きもあります。【1】

●ガンを予防する効果
カフェ酸にはガン細胞の転移や増殖を抑制する働きが認められています。ガン細胞は組織内に入り込んでいくことで他の臓器に転移、増殖して大きくなっていきます。これを浸潤(しんじゅん)といいます。
カフェ酸はガン細胞の浸潤を防ぐ効果があることが動物実験により明らかにされています。【2】【5】

●動脈硬化を予防する効果
低密度リポたんぱく質(LDL)[※1]とは、コレステロールを主に運ぶリポ蛋白(たんぱく)です。
低密度リポたんぱく質は、末梢組織に細胞膜や生理活性物質の材料を送るという大切なものです。しかし、低密度リポたんぱく質が酸化することにより血管壁を傷つけ血栓を作りやすく、動脈硬化、血栓症(心筋梗塞、脳梗塞など)の原因になるといわれています。
カフェ酸には低密度リポたんぱく質の酸化を抑制する働きがあるため、動脈硬化、血栓症を予防する働きがあるといわれています。【3】【4】

[※1:低密度リポたんぱく質とは、血清リポたんぱく質の一種です。リポたんぱく質の中でもコレステロール含有量が特に多く、「悪玉コレステロール」と呼ばれることもあります。]

カフェ酸は食事やサプリメントで摂取できます

カフェ酸を含む食品

○コーヒー
○さつまいも
○ごぼう
○りんご

こんな方におすすめ

○ストレスをやわらげたい方
○心を落ち着かせたい方
○ガンを予防したい方
○動脈硬化を予防したい方

カフェ酸の研究情報

【1】ヒト単球細胞U937にカフェ酸を添加したところ、t-ヒドロキシルパーオキシナイトライト誘発の酸化ストレスが緩和されたことから、カフェ酸はグルタチオンの枯渇や脂質過酸化を抑制すると考えられています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/9870564

【2】カフェ酸誘導体がLDL酸化抑制に役立つことから、カフェ酸が動脈硬化症の予防に役立つと期待されています。
http://ci.nii.ac.jp/naid/10027703100

【3】乳がんモデル動物に対してカフェ酸を与えた結果、癌細胞を抑制することが分かりました。さらにMDA231細胞(乳がん細胞)誘発によるVEGFを抑制しました。カフェ酸は癌細胞の増殖および浸潤を抑制する可能性が考えられました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21570765

【4】カフェ酸を豊富に含むニュージーランド産プロポリスは、ヌードマウスの癌細胞【ヒト癌細胞(MPNSTおよびNF腫瘍)を移植】を顕著に抑制したことから、カフェ酸は抗がん作用を持つと考えられています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18726924

【5】蘇葉に含まれるロズマリン酸およびその主要代謝産物カフェ酸が新規の抗うつ・抗不安作用を持つことから、リラックス効果に役立つと考えられています。
http://ci.nii.ac.jp/naid/110008671986

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参考文献

・武田 弘志、辻 稔 (2008) “ストレス社会が求める”くすり”の創薬研究-天然生薬からの新規抗うつ・抗不安様物質の発見-“国際医療福祉大学紀要 13(1), 1-10, 2008-07-31

・Wu J, Omene C, Karkoszka J, Bosland M, Eckard J, Klein CB, Frenkel K. (2011) “Caffeic acid phenethyl ester (CAPE), derived from a honeybee product propolis, exhibits a diversity of anti-tumor effects in pre-clinical models of human breast cancer.” Cancer Lett. 2011 Sep 1;308(1):43-53.

・平良 淳誠、大嶺 和可奈 (2011) “沖縄産カンショ茎葉のカフェ酸誘導体含量と抗LDL酸化作用” Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology 58(1), 16-20, 2011-01-15

・Nardini M, Pisu P, Gentili V, Natella F, Di Felice M, Piccolella E, Scaccini C. (1998) “Effect of caffeic acid on tert-butyl hydroperoxide-induced oxidative stress in U937.” Free Radic Biol Med. 1998 Dec;25(9):1098-105.

・Demestre M, Messerli SM, Celli N, Shahhossini M, Kluwe L, Mautner V, Maruta H. (2009) “CAPE (caffeic acid phenethyl ester)-based propolis extract (Bio 30) suppresses the growth of human neurofibromatosis (NF) tumor xenografts in mice.” Phytother Res. 2009 Feb;23(2):226-30.

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