ボーンペップ

bonepep

ボーンペップとは、卵黄から発見された骨の成長を助けるペプチドたんぱく質です。
骨を成長させる細胞を活性化させる働きを持ち、カルシウムと一緒に摂取することで骨の伸長や骨密度、骨強度を高める効果があります。

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ボーンペップ®とは?

●基本情報
ボーンペップは、卵黄から発見された骨の成長を助けるペプチドたんぱく質です。ペプチドとは、たんぱく質を分解し細かくしたもので、さらに細かく分解するとアミノ酸となります。
丈夫な骨づくりのため、骨の構成成分であるカルシウムとボーンペップを一緒に摂取すると、骨の成長を助け、骨密度を高めるため強い骨をつくる効果が期待できます。
ボーンペップは、卵黄から脂質を取り除き、酵素で処理することによってペプチドに分解してつくられます。
熱に対する耐性がある上、酸に対しても安定です。発育や健康状態に悪影響を及ぼす心配がない成分です。

●ボーンペップの発見
ボーンペップは、卵黄から発見され、その働きが注目されました。
鶏の卵を温めると、産卵からわずか21日でヒヨコに成長し、孵化します。卵の中にヒヨコに成長するために必要なすべての栄養素が含まれているからです。この成長の速さに注目して卵に含まれる成分について研究した結果、卵黄に含まれるペプチドが骨の成長を促進していることがわかりました。骨にちなんで、骨 (bone)、ペプチド (peptide)からボーンペップと名付けられました。

●ボーンペップと骨に関わる栄養素の比較
骨の成長や丈夫な骨をつくるためには、様々な要因が関わっています。特に大切なのは、十分にミネラルを摂取すること、骨の形成を促すビタミンを摂取すること、骨に対して適度に負荷を与える運動をすることです。
骨の健康のための栄養素は、カルシウムやビタミンDコラーゲンが良く知られており、カルシウムは骨をつくるために非常に重要な栄養素です。コラーゲンは骨の枠組みとなるたんぱく質で、カルシウムやリンなどをつなぎとめる柱の役割をしています。

ボーンペップはカルシウムと一緒に摂取することで、骨をつくり、骨密度を高める働きがある優れた性質を持っています。

●骨を保つしくみ
骨にはカルシウムやリンなどの成分を骨に沈着させて骨をつくる作用と、古い骨を壊す作用があります。成長期を終えるとこれらの作用をバランス良く保ち、今ある骨を絶えず新しい骨へとつくり変えることで骨量を維持します。しかし、年齢を重ねるにつれてこれらの働きが低下し、骨の活発な生まれ変わりが行われず骨が老化します。また、女性は閉経を迎えるとこれらの働きを調節するホルモンのバランスが崩れ、骨をつくる働きを高める女性ホルモンの分泌が低下します。こうして骨をつくるよりも骨を壊す働きが活発になると、骨が壊されるばかりで骨密度が低下し、骨粗しょう症となって骨がもろく折れやすい状態になります。
骨粗しょう症になる前に骨の健康に気を配ることや、骨粗しょう症になっても骨を丈夫にする食品を摂取することが大切です。

<豆知識①>骨粗しょう症
骨粗しょう症では、骨がもろくなり折れやすくなる症状が有名です。しかし、他にも様々な症状があります。
例えば軽度の骨粗しょう症の場合、立ち上がる時や重い荷物を持った時に腰や背中が痛む、背中が曲がってくる、身長が縮むなどの症状が挙げられます。重度の場合、腰や背中の痛みによって寝込んでしまう、背中や腰の曲がりがひどくなる、身長の縮みがかなり目立つようになります。
骨粗しょう症は古くからあり、今から約4000年前のエジプトの第12王朝のミイラに、骨粗しょう症による骨折が見つかっています。また、日光に恵まれずビタミンDの摂取が不足していたペルシャではエジプトよりも骨粗しょう症の発症が多かったともいわれています。エジプトとペルシャの戦争では、ペルシャ兵士の骨はエジプト兵士の骨よりも柔らかかったため遺体をすぐに見分けられた、という古文書の記載があります。
バランスの良い十分な食事と適度な運動によって、骨粗しょう症を予防することが大切です。

<豆知識②>骨の成長
成長期には、体の発達とともに骨も成長します。骨の成長には、長さの成長と太さの成長があります。
骨は大きく分けて、骨の軸となり主要部分である骨幹と、骨の両端で関節部分の軟骨がある骨端からなっています。
骨の長さが成長している時には、ひとつひとつの骨端で新しい軟骨細胞がつくられ、その軟骨細胞が骨に置き変わっていきます。そのため骨端の厚さはほぼ一定に保たれ、骨幹が長くなります。思春期が終わる頃には新しい軟骨細胞がつくられなくなり、18歳から25歳くらいの間にこれらの成長が止まります。
また、骨の長さが増すと同時に、骨の太さも成長します。骨の表面にある膜の細胞が骨をつくる細胞に変わり、骨の表面に沈着していきます。同時に骨の内部から骨組織を壊す作用もありますが、骨を新しくつくる速さのほうが早いため骨の太さが増します。骨の長さも太さも増す成長の著しい時期は、骨を育てる栄養をバランスよく摂取することが大切です。

ボーンペップ®の効果

●骨の伸長をサポートする効果
ボーンペップは、骨の成長を促す効果があります。 ボーンペップとカルシウムと一緒に摂取すると、カルシウムのみを摂取した場合と比べて骨が伸びる速度が高まることが確認されています。
成長期のラットを、カルシウムの少ないエサを与えた群、カルシウムの入ったエサを与えた群、カルシウムとボーンペップを配合したエサを与えた群に分け、骨の成長を比較した動物実験が行われました。その結果、カルシウムの少ないエサを与えた群に対し、カルシウムとボーンペップを配合したエサを与えた群は、足の骨が明らかに伸長したことが明らかになりました。また、ボーンペップの量が多いほどその効果がみられることがわかりました。
これは、ボーンペップが骨端で骨をつくる細胞を増やし、その細胞を活性化させる働きがあるためです。
成長期の子どもは、特に骨をつくる細胞の新陳代謝が活発で、骨が伸びるため、カルシウムとボーンペップを一緒に摂取することで、さらに骨の成長が期待できます。【2】

●骨密度を高める効果
ボーンペップは、骨密度を高める効果があります。
骨には、常に古い骨を壊し、新しく生まれ変わる働きがあります。しかし、そのバランスが崩れて骨を壊す働きが過剰になってしまうと、骨密度が低くなり、もろくスカスカの状態になり、骨折などが起こりやすくなります。
骨粗しょう症を予防するためにも、骨密度を高めておくことが必要です。
ボーンペップは、骨を壊す細胞を減らすことで、骨の密度を維持し、骨密度を高める効果があります。
骨密度を調べた実験では、卵巣を摘出したマウスを閉経後の女性にみたて、継続してボーンペップを摂取させた所、ボーンペップを摂取した後には明らかに骨密度の減少が抑制されることがわかりました。また、ボーンペップを長期投与することでマウスの骨密度が高くなることが明らかになりました。【1】【3】

●丈夫な骨をつくる効果
ボーンペップは、骨の強さを高める効果があります。
骨は体を支えカルシウムの貯蔵庫となるほか、内臓を守る役割も担っています。
骨が異常に曲がったりせず、衝撃に強い骨をつくるためには、硬く強い骨を保つことが必要です。
実験では、ラットにカルシウムとボーンペップを一緒に摂取させると、ボーンペップを摂取した群は摂取しなかった群に比べて硬く強い丈夫な骨になることが明らかになりました。
カルシウムとボーンペップを一緒に摂取することは、成長期の子どもだけでなく骨を丈夫に保ちたい大人にとっても役立ちます。【2】

食事やサプリメントから摂取できます

ボーンペップを含む食品

○卵黄

こんな方におすすめ

○骨を強くしたい方
○骨粗しょう症を予防したい方
○成長期のお子様
○スポーツをする方

ボーンペップ®の研究情報

【1】卵黄ペプチド(ボーンペップ)は破骨細胞の働きを抑制し、骨髄からの破骨細胞形成を抑制することで、骨密度を高める働きが期待されています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17485841

【2】卵黄ペプチド(ボーンペップ)を1日あたり100 mg/kgの量で5日間摂取させたところ、骨成長因子が増加したことから、卵黄ペプチド(ボーンペップ)は骨成長を促進することが期待されています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15564680

【3】卵巣摘出ラットに対し、卵黄ペプチド(ボーンペップ)を摂取させたところ、骨芽細胞様細胞(MC3T3-E1細胞)が増殖し、骨密度が上昇しました。卵黄ペプチド(ボーンペップ)は閉経後の骨粗しょう症予防に役立つと考えられています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21107301

参考文献

・Ji M, Leem KH, Kim M, Kim HK. (2007) “Egg yolk soluble protein stimulates the proliferation and differentiation of osteoblastic MC3T3-E1 cells.” Ji M, Leem KH, Kim M, Kim HK.

・Leem KH, Kim MG, Kim HM, Kim M, Lee YJ, Kim HK. (2004) “Effects of egg yolk proteins on the longitudinal bone growth of adolescent male rats” Biosci Biotechnol Biochem. 2004 Nov;68(11):2388-90.

・Kim HK, Lee S, Leem KH. (2011) “Protective effect of egg yolk peptide on bone metabolism.” Menopause. 2011 Mar;18(3):307-13.

・Kim HK, Kim MG, Leem KH. (2008) “Inhibitory effects of egg yolk soluble protein on bone resorption.” Biosci Biotechnol Biochem. 2008 Jul;72(7):1929-31. Epub 2008 Jul 7.

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